RSウイルス感染症とは、RSウイルスによる呼吸器の感染症です...
2024/10/09
RSウイルス感染症とは、RSウイルスによる呼吸器の感染症です。このRSウイルスは世界中に分布しているため、海外に行くときにも注意が必要となる感染症の一つです。何度も感染を繰り返す可能性があり、生後1歳までに半数以上が、2歳までにほぼ100%の子どもがRSウイルスに1度は感染すると言われています。感染経路は接触感染と飛沫感染で、症状としては、発熱、鼻汁など軽い風邪のような症状から重い肺炎まで様々です。潜伏期間は4〜5日で、多くの方は数日で回復します。初回感染時は重症化しやすいと言われているのでより注意が必要となります。
RSウイルス自体に効果のある抗ウイルス薬はありません。米国では認可されている薬はあります。日本では認可された抗ウイルス薬がないため、症状に合わせて対症療法を行うのが基本的な治療になります。治療薬がないため、感染しないように予防することが重要になります。RSウイルス感染症も、他の感染症と同様で、手洗いやうがいが基本的な感染予防になります。薬局で販売しているアルコール製剤も効果が期待できます。薬はないと言いましたが、予防接種に使用する薬はあります。対象になる人は限られてきますが、対象に含まれている人達は重症化するリスクが高い人達なので、体調が良いうちに予防接種を受けておくことをお勧めします。そして私はこのコラムを書くまで知らなかったのですが、2024年5月にRSウイルスに対するワクチンが販売されました。勉強不足だと他の薬剤師の先生にお叱りを受けそうなので、このコラムを読んだ後に、安達は最近まで知らなかったらしいよと口外しないようにお願いします。話を戻しますが、このワクチンはとてもユニークなワクチンで、新生児および乳児に対して使用したいときは、なんと妊婦さんへ投与します。妊婦さんがこのワクチンを接種することで、妊婦さんの体内で産生された抗体が胎児へ移行して、RSウイルスを原因とする下気道疾患の予防に効果が期待できます。有効性は生後6ヶ月まで検証されていますので、効果が大変期待できるワクチンではないでしょうか。ワクチン接種や薬のことで相談されたい方は、お近くの薬剤師に是非お声掛け下さい。
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